『老子』第三十三章、「足るを知る者は富み」
原文 ▼
知人者智、自知者明。
勝人者有力、自勝者強。
知足者富、強行者有志。
書き下し文 ▼
人を知る者は智、自ら知る者は明(めい)なり。
人に勝つ者は力有り、自ら勝つ者は強し。
足るを知る者は富み、強(つと)めて行なう者は志有り。
現代語訳 ▼
他人を理解する事は普通の知恵のはたらきであるが、自分自身を理解する事はさらに優れた明らかな知恵のはたらきである。他人に勝つには力が必要だが、自分自身に打ち勝つには本当の強さが必要だ。満足する事を知っている人間が本当に豊かな人間で、努力を続ける人間はそれだけで既に目的を成し遂げている。
類義語 ▼
「富は足るを知るにあり」
本当の豊かさは、満足することを知ることにこそある
「足るを知るは第一の富なり」
満足することを知ることは第一の豊かさである
「足ることを知れば福人」
満足することを知ってこそ豊かな人になれる
まとめ ▼
「足るを知る者は富み」とは、
欲張ることをせず、他人と自分を比較するものでもなく、いまの自分の状況・今あるものに注目をして満足する。そして、いまの状況に感謝をする。そうすれば、精神的に豊かになります。
という老子の教えです。
また、そのあとの「強行者有志」という言葉も一緒に理解してもらいたい。
志・目標に向かって努力を続ける。現状維持をするのではなく、志・目標に向かって努力を続けることが幸せということ。
欲深くならずに分相応のところで満足できるのが豊かな人間で、その満たされていることを知った上で志や目標に向かって努力を続ける。
今回、この言葉を偶然見つけ、ハッと気持ちが入れ替わったような気がします。